給料

日本の農業の給与 — 最低賃金がそのまま賃金になる

最終レビュー: 2026-08-10 公的制度に関する情報 — 必ず公式情報で確認を

農作業の賃金は都道府県の最低賃金かそのわずかに上で支払われ、日本の食料を生産している県こそが全国で最も低い下限額を抱えています。その水準でフルタイム1か月なら、時間外を除いておよそ17.7万〜19.7万円です。農業の契約書の読み方を変えるのは算数ではなく法律です。農業は労働基準法の労働時間・休憩・休日に関する規定の適用除外である数少ない業種の一つで、収穫期の長い一日に法定の割増賃金はありません。

基本情報

農業県の最低額
時給1,023円(宮崎)
この表の最高額
時給1,140円(千葉)
下限額でのフルタイム月収
約17.7万〜19.7万円(税引き前)
法定の時間外割増
適用なし — 農業は除外
深夜割増(22:00〜05:00)
+25% — こちらは適用される
住居
農場の寮は月1万〜2万円が多い

法定の下限額、都道府県別

日本の最低賃金は全国一律ではなく都道府県ごとに決まります。職種を問わず、在留資格を問わず、雇用主が1時間あたり法的に支払わなければならない下限がこの額です。

都道府県 令和6年度 令和7年度 引上げ額 発効日 フルタイムの月額
Miyazaki 宮崎 ¥952 ¥1,023 +71 2025-11-16 ¥177,000
Kagoshima 鹿児島 ¥953 ¥1,026 +73 2025-11-01 ¥177,000
Aomori 青森 ¥953 ¥1,029 +76 2025-11-21 ¥178,000
Iwate 岩手 ¥952 ¥1,031 +79 2025-12-01 ¥178,000
Akita 秋田 ¥951 ¥1,031 +80 2026-03-31 ¥178,000
Kumamoto 熊本 ¥952 ¥1,034 +82 2026-01-01 ¥179,000
Nagano 長野 ¥998 ¥1,061 +63 2025-10-03 ¥184,000
Ibaraki 茨城 ¥1,005 ¥1,074 +69 2025-10-12 ¥186,000
Hokkaido 北海道 ¥1,010 ¥1,075 +65 2025-10-04 ¥186,000
Chiba 千葉 ¥1,076 ¥1,140 +64 2025-10-03 ¥197,000

月額は下限時給 x 173時間、税・社会保険控除前の数値です。その時間数に対する法的な最低額であり、実際の求人相場ではありません。

色付きの日付は、新しい額が12月以降にずれ込んだ県です。秋田は2026年3月31日でした。それまでは旧額が法定下限であり、旧額で支払っていた雇用主が違法だったわけではありません。

全国加重平均は¥1,055から¥1,121へ、過去最大の引上げとなり、47都道府県すべてが初めて1,000円を超えました。次回改定はOctober 2026に発効します。

公表額 · FY2025 (令和7年度) · 厚生労働省 ↗

額面から手取りへ — 給与明細の内訳例

項目 金額(月)
額面月給(この職種の典型的な中央値) ¥180,000
健康保険(約5%) −¥9,000
厚生年金(9.15%) −¥16,500
雇用保険(約0.55%) −¥1,000
源泉所得税(約2〜4%) −¥4,500
住民税(2年目から、約6%) −¥10,800
手取り・1年目(概算) ¥149,000
手取り・2年目以降(概算) ¥138,200

上記は典型的な中央値をもとにしたPath2Japanの概算です。料率は収入・扶養・自治体で多少変わります。1年目は住民税が引かれないため、2年目に手取りが減るのは正常で、計算ミスではありません。

この業種では、下限額がそのまま賃金になる

多くの解説は農業の給与を幅で示し、その幅がどこから来たのかは書きません。出どころは一つです。農場のある都道府県の最低賃金です。一般的な圃場作業がそれを大きく上回ることはまれなので、法定下限は最悪の想定ではなく、計画に使う数字そのものです。

これが重要なのは、日本の食料を生産している県こそが全国で最も低い下限額を抱えているからです。宮崎は時給 1,023円、鹿児島1,026円、青森1,029円——東京は1,226円です。1,023円でフルタイム1か月なら税引き前でおよそ 17.7万円、千葉の1,140円なら約19.7万円になります。宮崎と東京の時給差203円は月あたり約3.5万円で、確かに実額ですが、寝る場所に払う差額よりは小さいのが実情です。

上の表には本当に良い知らせもあります。令和7年度の改定は、最も低い県ほど大きく引き上げました。熊本82円、大分81円、秋田80円に対し、東京と神奈川は63円です。農業地帯と首都の差は広がっているのではなく、縮まっています。難点は時期でした。まさにその県が最後に切り替わったのです。熊本の新額は2026年1月1日から、秋田は2026年3月31日から。東京より半年近く遅れています。

誰も訳さない条文——農業に法定の残業代はない

このページで最も重要な一点であり、どの言語の解説でもたいてい間違っています。

労働基準法第41条第1号は、農業・畜産・水産業を、労働時間・休憩・休日を定める章そのものから除外しています。 この業種には法定の8時間労働がなく、法定の週休がなく、法定の時間外割増もありません。収穫期の14時間労働が通常時給の14倍で支払われて、それが適法です。

この除外がある理由自体は本物です。農作業は時計ではなく天候と生き物に従います。牛にも台風にも、シフトが終わるまで待てとは言えません。理由は本物です。そしてそのコストも本物で、負担するのはあなたです。

同じくらい重要なのは、この除外が 触れていないもの です。

  • 最低賃金は全面的に適用されます。 根拠が別の法律だからです。都道府県の下限額を下回る支払いは、農業でもコンビニと同じく違法です。住居費や食費を控除した後でも同じです。
  • 深夜割増は適用されます。 22:00から05:00までの労働は1.25倍です。これは条文の構造そのものから読み取れます。立法者が深夜割増まで外したいときは明示的にそう書くからで、第41条の2は別の類型についてまさにそう書いています。第41条は書いていません。
  • 年次有給休暇も適用されます。

したがって実務上の原則はこうです。農業では、労働時間は契約条件であって法的権利ではない。 良心的な雇用主の多くは8時間労働で契約し、それを超える分に割増も払います。署名の前に尋ね、答えを書面で受け取ってください。他の業種と違い、法律があなたのためにその条件を補ってはくれないからです。

お金の季節的な形

農業の収入は暦とともに呼吸します。収穫月は時間が積み上がり、月収は基本を大きく超えることがあります。単一作物の農場では真冬に基本のみ、あるいは時間そのものが細ることもあります。構造的な答えは二つです。

複合経営と畜産——とくに酪農——は年間を通じて曲線を平らにします。2月でも牛には餌が要るからです。もう一つ、特定技能における農業だけの特徴として、ここでは派遣就労が合法です。派遣元があなたをいちごの季節から野菜の季節へ、地域をまたいで動かすことができ、単一農場では埋められない谷をならせます。

署名前にどの雇用主にも尋ねるべき二つの質問。どちらの経営モデルですか。1月の給与明細はどうなりますか。二つ目に具体的に答えられない生産者は、それ自体で何かを語っています。

自分の給与明細を確認する

確認は三つ。いずれも上の表と突き合わせられます。

基本給を実労働時間で割る。 その月に適用される県の額を下回っていれば、第41条の適用除外に関係なく違反です。「その月に」という点が肝心で、発効日の列を使ってください。令和7年度は切替日が10月から翌年3月まで散らばっています。

控除を見る。 寮費・光熱費・食費の控除は限度内かつ書面の合意がある場合にのみ適法で、実質時給を下限額より下げるために使うことはできません。

深夜の時間を確認する。 22:00から05:00までは、適用除外があってもなくても1.25倍です。

労働基準監督署はこうした申告を受け付け、多言語対応の窓口もあり、在留資格によって主張が弱くなることはありません。

季節労働から、腰を据えた生活へ

階段は実在しますが、段があります。技能実習生は最も稼ぎが少なく移動の自由もありません。修了後に特定技能1号へ移ることが得られる最大の改善で、転職の権利と市場賃金がついてきます。農業が特定技能2号に入ったことで天井も外れました。無期限の更新、家族の帯同、そして永住へ向かう滑走路です。

農業経営者の高齢化は他のどの業種より速く、日本語と運転免許、機械の技能を足した働き手は、同じ人が工場にいる場合より何年も早く圃場リーダーや管理職に登用されています。孤立というコストも本物です。多くの農場は町からも教室からも同郷の人からも遠い。同じ言語を話す同僚がいて、車で行ける町が近い職場は、わずかに高い時給より選ぶ価値があります。

上のすべての下限額は 2026年10月 に再び改定されます。

このページで使う日本語(▶で再生)

Shūkaku o hajimemasu.
Kono retsu o onegai shimasu.
Kyūkei ni shimashō.
Sumimasen, mō ichido onegai shimasu.
Taichō ga warui node, kyō wa yasumasete kudasai.

音声は VOICEVOX:冥鳴ひまり による標準速度のサンプルです。実際の会話はより速く、アクセントの個人差もあります。

よくある間違い・注意点

  • 農業は労働基準法の労働時間・休憩・休日に関する規定の適用除外です(第41条第1号)。この業種には法定の8時間労働も、法定の週休も、法定の時間外割増もありません。収穫期の長時間労働は、契約に別段の定めがない限り通常の時給で支払われます。だからこそ、この業種では契約書に何が書いてあるかが他業種より重要になります。
  • この適用除外が取り除かないもの。最低賃金は別の法律に基づき全面的に適用されます。22:00〜05:00の25%の深夜割増も適用されます。年次有給休暇も適用されます。都道府県の下限額を下回る支払いは、住居費を控除した後であっても、農業でも他の職場と同じく違法です。
  • 令和7年度の引上げは農業県に最後に届きました。熊本の新額は2026年1月1日から、秋田は2026年3月31日からで、東京より数か月遅れています。不足払いだと結論づける前に、お住まいの県の発効日を確認してください。そしてその日以降に、もう一度確認してください。

よくある質問

日本の農業の給料はいくらですか

都道府県の最低賃金に連動します。主な農業県では令和7年度で時給1,023〜1,140円です。フルタイム1か月なら控除前でおよそ17.7万〜19.7万円になります。一般的な圃場作業で下限額を大きく上回る例はまれなので、お住まいの県の下限額が計画に使うべき数字です。

日本の農業に残業代はありますか

法律上はありません。労働基準法第41条は農業・畜産・水産業を、労働時間・休憩・休日を定める章から除外しているため、法定の25%割増は適用されません。実際には支払う雇用主も、8時間労働で契約する雇用主も多くいます。ただしそれは交渉で得る契約条件であって、あなたが当然に持つ権利ではありません。必ず書面にしてください。

深夜割増は農作業にも適用されますか

適用されます。第41条が外すのは労働時間・休憩・休日の規定だけです。法律が深夜割増まで外したいときは明示的にそう書きます。第41条の2は別の類型の労働者について「深夜の割増賃金」と明記しています。22:00から05:00までの労働は1.25倍で支払われなければなりません。

特定技能の農業で働くといくらもらえますか

同じ仕事をする他の人と同じ水準です。特定技能は在留資格であって賃金等級ではありません。日本の法律は同じ職務の日本人と同等以上の報酬を求めているので、この資格は賃金を引き上げるのではなく守ります。特定技能が変えるのは移動の自由です。分野内で転職でき、農業は派遣就労が認められる唯一の分野です。

なぜ農業では派遣が重要なのですか

農業は季節性が強いため、派遣会社が雇用して仕事のある場所に送り出せる唯一の特定技能分野です。地域をまたいで収穫期を追うことが合法にできます。単一作物の農場での直接雇用では埋められない冬の落ち込みをならせます。

農業で長期的な生活を築けますか

制度上は築けます。農業が特定技能2号に入って以降、上位試験に合格すれば無期限に更新できる在留資格を得られ、家族の帯同も可能で、永住許可に向けた年数にも算入されます。現実的な階段は作業者から圃場リーダー、そして農場管理者です。日本の農業経営者の高齢化は他のどの業種より速く、まさにそうした人材が必要とされています。

公式情報源

この給料で毎月いくら残る? → 貯蓄シミュレーターが1分で回答

このページは一般的な情報の提供のみを目的としており、法的助言ではありません。出入国管理制度は変更されることがあります。必ず上記の公式情報源でご確認ください。

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