日本語学校を評価する機関は二つあり、名簿を公表しているのは一方だけです。文部科学省の認定は検索できます。出入国在留管理庁の「適正校」——不法残留・在留資格取消・更新不許可などの割合で決まる——は公表されず、しかし申請書類の量を左右し、3年連続で不適正とされた機関は告示からの抹消事由になります。
基本情報
- 評価主体
- 出入国在留管理庁(毎年)
- 名簿は公開か
- 非公開——機関に通知されるのみ
- 基準
- 問題となった学生の割合5%以下
- 上位区分(適正校I類)
- 3年連続で1%以下
- 留学生側の利点
- 在留申請の提出書類が減る
- 最悪の結果
- 3年連続不適正で告示抹消事由
入管の選定基準 (2026)
評価は二つあり、公表されているのは一方だけ
認定日本語教育機関一覧のとおり、文部科学省はどの機関が教育面の審査を通ったかを公表しています。誰でも調べられます。
入管はもう一つ、まったく別の評価を毎年行っています。そしてその名簿を公表しません。
出入国在留管理庁は、留学生を受け入れる各機関について一つの狭い問いを立てます。在籍学生のうち、問題となった者はどれだけか。 基準を満たせば「適正校」に選定され、その学生の在留審査では一部の提出書類が省略されます。満たさなければ簡素化はなく、通常どおりの厳格な審査になります。
通知は学校に届きます。あなたには届きません。
「問題となった」の中身
割合は前年1月末の在籍者数を分母に算定されます。在籍中に次の5類型のいずれかが発生した学生が計上されます。
- 不法残留となった者
- 在留期間更新が不許可となった者(出席・成績等、在留状況を理由とするもの)
- 在留資格を取り消された者
- 資格外活動許可を取り消された者
- 退去強制令書の発付を受けた者
5%以下で適正校。ただし前年1月末の在籍者が19人以下の機関では上限は1人——1人発生すればその年は基準を満たしません。
さらに上位区分があります。3年連続で1%以下(在籍99人以下なら1人以下)で、3年連続して適正校の通知を受け、届出義務も適正に履行している機関は 適正校I類 となり、提出書類が最も少なくなります。
数値以外の要件も二つあります。入管法第19条の17に基づく届出を適正に行っていること(2回連続で指導を受けると基準を満たしません)、および在籍管理上ほかに不適当と認められる事情がないことです。
まじめな申請者にも関係する理由
自分ではなく学校の問題だと感じるはずですが、二点で当事者です。
書類量が変わります。 上位区分の学校では経費支弁関係の多くが省略されます。不適正とされた学校では全部を揃えることになり、書類が増えるほど不備・遅延・追加照会の余地も増えます。
受け入れる資格自体を失う可能性があります。 3年連続で「在籍管理が適正に行われていない」旨の通知を受けた機関は、告示基準第2条第1項第5号の抹消事由に該当し得ます。令和8年7月2日現在、告示された日本語教育機関は 830機関。この告示に載っていることが、そもそも留学の在留資格の前提です。2年目に入っている学校は、すでに秒読みが始まっている学校です。
聞くべき一文
調べられない以上、聞くしかありません。回答が文字で残るようメールで。
御校は入管の「適正校」に選定されていますか。区分は I 類ですか、II 類ですか。
返ってくる形は三通りで、いずれも情報になります。
- 区分まで明示した回答。 通常です。選定されている学校は自校サイトに掲げていることが多いです。
- 「現在は選定されていません」。 それだけで避ける理由にはなりません。新規開設校や受入れを再開した機関は前年実績がないため算定自体ができず、「新規・再開機関」として通知されます。その事情かを確認してください。
- はぐらかす、話題を変える。 それが答えです。入学前の学生に自校の規制上の位置づけを明言しない学校は、入学後にあなたの問い合わせをどう扱うかを先に見せています。
学校を代理する仲介業者にも同じことを聞いてください。理由は留学仲介業者のページに書いています。
この評価でないもの
教育の質の指標ではありません。 カリキュラムや教員を見ているのは文科省の認定です。適正校でも授業が良いとは限りません。
現在の状態ではありません。 前年実績で算定されるため、半年前に悪化した機関も昨年の区分のままです。
あなたには検証できません。 名簿が非公開だからです。ただし「明確に、文書で答えたか」は、区分そのものと違って完全に見えます。
よくある間違い・注意点
- この評価は在籍管理であって教育の質ではありません。適正校でも授業が良いとは限りません。品質評価ではなくリスク指標として使ってください。
- 遅行指標です。前年の実績で算定されるため、半年前に悪化した機関も昨年の区分のままです。
- 名簿が非公開のため、学校の回答を外部から検証できません。判断できるのは「明確に、文書で答えたかどうか」です。
よくある質問
適正校かどうかはどこで調べられますか。
調べられません。入管は各機関に通知するのみで、名簿を公表していません。だからこのページがあります。唯一の方法は学校に聞くことで、選定されている学校はたいてい自ら公表しています。
「問題となった学生」とは。
5類型です。①不法残留 ②出席・成績等を理由とする在留期間更新不許可 ③在留資格の取消 ④資格外活動許可の取消 ⑤退去強制令書の発付。発生時に在籍していた機関に計上されます。
まじめな申請者にも関係ありますか。
書類量が変わります。上位区分の学校では経費支弁関係書類の多くが省略されます。不適正とされた学校では全部を揃えることになり、書類が増えるほど不備・遅延・追加照会のリスクも増えます。
文科省の認定とどう違いますか。
主体も問いも別です。認定は教育の質(カリキュラム・教員・運営)を見るもので、名簿は公開されています。適正校は入管がより狭い問い——在籍学生が適法に在留しているか——を見るものです。公開されている側は[認定日本語教育機関一覧](/ja/study/accredited-japanese-language-schools/)へ。
公式情報源
- 出入国在留管理庁——教育機関の選定について (2026-07-24)
- 出入国在留管理庁——日本語教育機関等一覧(令和8年7月2日) (2026-07-24)
このページは一般的な情報の提供のみを目的としており、法的助言ではありません。出入国管理制度は変更されることがあります。必ず上記の公式情報源でご確認ください。